こんにちは。ディレクターの小林です。
さて、WEBディレクターに向けた、校閲・校正シリーズ8回目…今回は閑話です。
閑話と書くとカッコいいけれど、つまりは無駄話です。
今回は、「 “ 言葉を知っているだけ ” じゃダメなんだな~」と思ったエピソードを…。
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最近、ショックを受けたことが2つありました。
1つは、小さな頃に聞きかじって覚えた花の名前が間違っていたこと。
「ハルジオン」「ヒメジオン」…通称、びんぼう草。
子どもの頃、「ハルジオン」はピンクの花、「ヒメジオン」は白い花と覚えたのですが
少し前に、植物の先生から正しい見分け方を教わりました。
でもすぐに忘れてしまったのでネットで検索したところ、意外な驚きが…。
「ハルジオン」を漢字に直すと「春紫菀」となる。
「春に咲く、キク科のシオン(紫菀)」という意味。
また、標準和名はハルジオンであるが、同類のヒメジョオンと混同して、
ハルジョオンと呼ぶ間違いが見られる。
見た目が非常に似ている上に、名前も紛らわしい。
同じように、「ヒメジョオン」を「ヒメジオン」と呼ぶ間違いも見られる。
え、ぇ~!!!!
「ヒメ」と「ハル」の違いだけで、後半は「ジオン(シオン)」だと思っていましたよ!!!
「ハルジオン(春紫苑)」と「ヒメジョオン(姫女苑)」が正しい名前でした。
…それにしても、ジョオンって、発音しにくいね…。
◆
もう1つは、「狛犬」。
以前から、疑問に感じていました。
「狛犬の“コマ”ってなんだろう?」
「狛犬って“犬”なのに、なんで獅子の形なんだろう?」
「“阿”と“吽”の配置は、左右どちらに置くか決まってるのかな?」
「狛犬とシーサーとは別物?」と。
でも、その疑問を調べることはなく幾年月…つい最近、調べてみたところ…。
え、ぇ~!!!!
狛犬は想像上の生き物で“ツノ”があるの!?
あの一対を“狛犬”と呼ぶのではなく、本来は“獅子”と“狛犬”で一対だったの!?
う、そ、だーーー! だって、今まで見てきた狛犬にツノなんてなかったよ!?
みんな同じく獅子の外見だったよ!?
あれ? そういや、なんであんなに狛犬のデザインは“画一的”なんだろう…?
え? 今神社に席巻しているのは“岡崎現代型”っていうの?
じゃ、昔からある狛犬は、アイデンティティーであるツノが存在しているかも?
…ということで…
目の前の靖国神社にダッーーーーシュ!!!!
ε=ε=ε=ε=ε= (o゚ー゚)o
あ、ありましたよ! ツノが!!
右が「阿形」で、左が「吽形」。
右が「獅子」で左が「狛犬」でした。
さすが、靖国神社! 世間の流行には左右されていません!
靖国神社の境内図を見ると、どうやら獅子と狛犬は4対いるようなので、南門を見たあと、石鳥居と第一鳥居まで足をのばしてみました。
あれ? …ツノがないのもいますね…。
結果としては、
ツノありの狛犬が2匹、ツノなしの狛犬も2匹。
阿吽の口をしているのは3対、両方口をあけているのが1対。
付属物の珠と子供があるのは1対、他3対は付属物なしでした。
◆
いやー、ビックリ。
ヒメジョオンも、狛犬も、この歳まで間違って覚えていました。
子どもの頃、疑問に思ったら「親に聞く」「先生に質問する」「辞書をひく」しか選択肢はなく
主に周囲の人の知識量に頼るしかなかったけれど…ネットってすばらしいですね。
疑問を持って調べるだけで、語彙も知識も、簡単に増やせるのですから。
次回、「語彙の増やし方」の実践編です。
では、また~★
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~ハルシオン、ヒメジョオンの見分け方~
>wikipedia:ハルジオン
>wikipedia:ヒメジョオン
>はやしのなか(http://blog.livedoor.jp/fore_fore/archives/3313722.html)
「ハルジオンとヒメジョオンの見分け方が写真つきで紹介されており、分かりやすいです。
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~お勧めの狛犬サイト~
>狛犬ネット(http://komainu.net/)
第2章の「日本一○○な狛犬 大競演」がいい!
「日本一しつけの厳しい狛犬」とか「日本一「阿」に生まれたことが不幸な狛犬」とか、どれもこれも面白い。
>狛犬について私が知っている2、3の事柄(http://homepage2.nifty.com/liondog/)
「狛犬調査」は、4期に分けて特徴が分かりやすく書かれています。
「庁所在地の狛犬」のフィールドワークはすごい。
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