こんにちは、ディレクターの小林です。
WEBディレクターに向けた、校閲・校正シリーズ6回目。
「いつまでこのネタで引っ張るんだ」と思われそうですが…。
本人も、ストックが尽きて困っているのですが…。
でも、「ないところからひねり出すのも、アイディア出しの修行になる!」と信じ、
このネタでいける所までいってみよう(次回が最後かも)と思います。
決して、新たなテーマを考えるのが面倒だからではありませんよ!
さてさて、本題。今回は「校閲」にまつわる話です。
「宅急便が届いたよ~。」
「ちょっと、マジック貸して?」
「ここ、セロテープで貼って!」
…などなど、オフィス内でよく交わされる言葉ですが、
宅急便もマジックもセロテープも、商標だって知っていましたか?
商標の商品を示すために使うのであれば問題ありませんが、
一般的なサービス・商品を指し示す場合には、本来は普通名詞を使わなくてはいけません。
と云われてもピンと来ないかもしれないので、どう不味いのか具体的に説明すると…
「宅急便」はヤマトの商標です。
なので、同業他社の文章中に「宅急便」という言葉を使ってしまうと致命的なミスとなります。
この場合、「宅急便」ではなく「宅配便」という言葉を使うのが正解。
で、この「商標」ですが、やっかいなことがありまして…
…時と共に社会へ浸透し、いつの間にか普通名詞化してしまうのです…。
サービスを提供する企業にとって「自社の商品名が、業界全体の商品の代名詞となる」というのは
商業的にすごくプラスですが、行き過ぎてしまうと「商標」も「普通名詞」と判定されてしまうのです。
企業からすると「広告費を投入して必死になって名を売ったのに、なんてこったい!」って感じですよね。
制作した文章に責任を持たなくてはいけない私たちとしても、あまりに商標が浸透してしまうと
「え!? セロテープの普通名詞って? セロテープは、セロテープだよ!」と、戸惑うばかり…。
そんな私たちに朗報!?
MicrosoftのWordには、「商標・商品名」をチェックしてくれる機能があります!
■Microsoft Wordの商標・商品名チェック機能を使う
①Wordを立ち上げ「ファイル」を選択
②「オプション」を選択
③「文章校正」を選択
④「Wordのスペルチェックと文章校正」の「設定」をクリック
⑤画面一番下の「商標・商品名」に
チェックを入れる
これで、商標・商品名として引っかかったワードには、青いラインが表示されます。
しかも、右エリアに表示された「変更」ボタンを押すだけで、普通名詞に変換してくれます。
わーーー! なんて便利!!!!
「セロテープ」を普通名詞に変換してみると、「セロハン・テープ」と表示されました。
…この中黒、必要ない気がするんですけど。ま、いいか。
しかし…無意識で使用している商標はたくさんあるはず。
この機能、本当に大丈夫? 使えるの? と、心配に。
石橋を叩きまくった挙句に「やっぱり怖いから進むのや~めた」と言い出しかねない性格なので、
この記事を書くにあたり、ちゃんとテストしてみました!
って…全然、ダメじゃん!!!!(涙)
13ワードのうち、ひっかからなかったものが6ワード。約50%の精度ですね。
ないよりマシということで、機能にチェックを入れておくのをおススメしますが、
正直、頼りにはなりません…。
ちなみに、上記の語句の商標登録をされている会社は以下です。
- サランラップ (旭化成ケミカルズ株式会社)
- シーチキン (はごろもフ-ズ株式会社)
- ジープ (クライスラー)
- セロテープ (ニチバン株式会社)
- 宅急便 (ヤマトホールディングス株式会社)
- タバスコ (マツキルヘニ-)
- タッパー (ダ-ト インダストリ-ズ)
- デジカメ (三洋電機株式会社)
- プラモデル (日本プラモデル工業協同組合)
- ポリバケツ (積水テクノ成型株式会社)
- ホカロン (株式会社ロッテ)
- ボンド (コニシ株式会社)
使う際には、気をつけましょうね。
ちょっと長くなりすぎたので、尻切れトンボ(深く意味を考えると恐ろしい言葉!)ですが、
今回はここまで! 「其の2」に続きます。
では、また次回に~★
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【今回のまとめ】
Microsoft Wordの商標・商品名チェック機能は、機能をONにしておこう。
でも、全然頼りにはならないーーー!
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