先日、我が家の表札を作ることになりまして、作るといっても彫刻刀で掘ったりするわけではなく、データを渡せば業者さんがコンピューター制御の彫刻マシンでそのまま表札にしてもらえるという話。
「どんなのでもデータがあればできますよ」と、かなり懐の深い、というか仕様がけっこう曖昧だったのですが、楽しそうだったので、「じゃぁデータを用意します」
と返事したのでした。
返事したものの、あらためて表札、ってどんなものかなと考えたのでした。
体系的に見たことなんてないし、もちろん歴史も知らないし。
ということで、少しですが表札について調べてみました。
歴史
広まったのは明治以降、武士じゃなくても日本の国民みんなが名字(苗字)を持てるようになったこと、郵便制度が発達したこと(表札がないと配達するのに大変ですんね…)、あと関東大震災の影響(家が崩壊、引っ越し・建て直しの際、表札を掲げた)みたいな流れだそうです。
表札じゃないですけど、道場の看板とか、なんとなくイメージしてて、古くからありそうなんですが、意外と歴史的には最近目なんですね。
素材・サイズ
素材も、木、陶器、天然石、金属、アクリルとかいろいろ。ただ基本的に野ざらしになるものなので、耐久性は重要なようです。
サイズも関東、関西とベースはあるようなのですが、今はもうフリーダム。
書体
ボクが一番気になってたのは表札に使われている書体。調べてみたところ、
・楷書体
・行書体
がメジャーどころらしいですが、最近はもう何でも有りっぽいです。
それこそ今回のボクのようにデータさえあればどんな字でもカタチにできるんですから有りものフォントで作るもよし、手書きをトレース(スキャン)するのもよし。表札の世界もIT革命が来てたんですねー。
最近、表札用書体としてメジャーになってきた書体は
・草書体
・隷書体
さらなるトレンド? もっとポップで親しみやすい
・クラフト体
・京円体
・金文体
ホント、いろいろですねー。
逆にオーソドックスなゴシック体、明朝体は、個性が出し辛いのかあまり見かけませんね。
英語(ローマ字)のみ、あるいは併記パターンも増えてきてますね。
読み仮名的な利便性もあるのでしょうが、主にデザイン性を重視してるのではないでしょうか。
洋風だったりモダンな家なら、漢字よりローマ字の方がビシッと決まるでしょうね。
歴史など、詳しいことは下記サイトを参考にさせてもらいました。
表札の流儀
表札マニア
ちなみに、我が家は、外観など「昭和モダン」をテーマにしていることと、『表札は普通でいいんじゃない?』と母の助言もあったので文字は「吉田」のみ、書体は以前から気になっていた、楷書の原型として有名な、欧陽詢の「九成宮醴泉銘」(きゅうせいきゅうれいせんめい)を参考に、自分なりに文字を書き起こし、PCで調整し最終的なデータにしました。
欧陽詢の書体をもとにした(らしい)フォントとしては、
モリサワさんから 欧体楷書
ダイナフォントさんから DFP欧陽詢体(DF欧陽詢体)
武蔵システムさんから NM白洲欧陽詢楷書
というのがあります。
正直言うと、書の世界なんてマンガ「とめはねっ! 」で知っているぐらいの知識しかなく、ボクの作った文字なんて、書を解る人が見たらデタラメではずかしい表札になっちゃったのかもしれないですが・・・
外国人の、日本人が見るととても残念な和文字タトゥーでも、本人さえご機嫌ならいいじゃないか的精神で、表札掲げていきますー。