宇宙科学チームの森田です。
ブラックホールは皆さんご存じの通り、光であろうとその強力な重力(空間歪み力)でなんでも吸い込んでしまいます。
そんなブラックホールは見た目は真っ黒な球なのですが、それは本体ではありません。
本体はその球の中心にぎゅーーーーーーーーーーーーっとつまったコアみたいなのがあり、それが本体です。
では、真っ黒い球はなんなの?
それは「ここから中は光も出てこれない境界」です。
光が出てこれないから真っ黒になるのです。
最近、このブラックホールは、ほおっておくとほんの少しずつ小さくなると考えられています。
なんでも吸い込む真っ黒な球の中では、絶えずその強力なエネルギーを使って新たな物質を作り出しています。(真っ黒な球の中のような高エネルギーの世界は、私たちの知っている世界とはまったく違い、錬金術みたいなことも有りなのです)
その新たな物質は作ってもあっという間にコアに取り込まれてしまうので、差し引きゼロになります。しっぽを食べている蛇みたいな感じですね。
まれに真っ黒な球のほんのちょっと外側で、新しい物質を作り出してしまう事があります。
するとその物質を吸い込むことができずに、宇宙空間に逃げてしまうことがあるのです。
この逃げてしまった小さな粒子の重さだけ軽くなって(蒸発)しまうのが、ブラックホールが蒸発する仕組みです。
次回は男のロマンがつまる中性子星の話(嘘)
※間違っている理解や記述等有りましたら修正しますのでお知らせ下さい。
こんなブラックホールを詳しく調べる事ができる望遠鏡を積んだ衛星をJAXAでは作っています。(WEBサイトを弊社制作です)
ASTRO-H次期X線国際天文衛星
ブラックホールの蒸発について唱えたのは、かの有名なスティーブン・ホーキンス博士。天才過ぎて何を言っているかさっぱり分からない事が多いのですが、この「ブラックホールの蒸発」は比較的分かりやすい内容だったりします。