ども、よしだです。
広末涼子が表紙の千葉ローカルFREEペーパーを探しに行ったついでに、
「生誕130年 彫刻家・高村光太郎展」に行ってきました。
千葉市美術館はJR千葉駅から歩くと20分くらいですかね。
区役所の上にあります。近世・近代日本美術中心の展示です。
ポスターなどのメディアに木彫の「蝉」が使われているのですが、夏の開催らしさも出て風流で、とてもステキですね。
一人の作が三十枚程あれば一つの雰囲気が生まれる。人はその雰囲気の中で、丁度森の中をゆくやうな一種の匂わしさを感ずる
という光太郎さんの言葉があったのですが、まさに彫刻家・高村光太郎の匂わしさを感じる展示でした。
で、まずはまとめ
・彫刻家 高村光太郎入門として良かった
・周辺の作家さんなど光太郎さんの背景も見れて良かった
・木彫がよかった
・奥さんの智恵子さんの切り絵が良かった
彫刻家 高村光太郎入門として良かった
光太郎さん自身に興味が持てて良かった。適当に話しますと、
お父さんは高村光雲さん。江戸から明治に生きた木彫の大家。木彫ではないけれど上野の西郷さんの作者。弟子いっぱいの職人親父
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「職人じゃなくてアーティストになるんだ!」的な感じで芸大に行き、ヨーロッパ留学
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ロダンなど刺激受け帰国後なぜか作家、詩人、絵画・・・マルチアーティストとして活躍
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妻が病気に。お金になる木彫(工期が短い、値段も手頃で売りやすい)を作り出す
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空襲によってアトリエ焼失。作品の多くを失う(残念!)
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岩手県花巻でひっそり暮らす(戦争協力詩を作ったことへの反省?)
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十和田湖畔記念碑の制作のため東京に戻る。完成
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アトリエにて73歳で永眠
こんな感じ。木彫をめぐってのお父さんとの確執や絆が感じられて良かったです。
光雲さんのブロンズ像があるのですが、一見そっけないような、でも人柄がにじみ出てくるような、作り手(光太郎)もけっこう楽しんでつくってそうで、とても味わい深かったです。
木彫や芸術に対する真摯な思いなど伝わってくる、短くまとめた映像もとても良かったです。
周辺の作家さんなど光太郎さんの背景も見れて良かった
光雲さんの猿はなかったですが、ロダンや萩原守衛さんなど色々見られて良かったです。
光太郎さんが生涯手放さなかった、光雲さんの木彫の「洋犬の首」もエピソードと共に良かったです。
木彫がよかった
木彫ってあまり馴染みないんですけど、とても良かったです。プラモデル感覚で楽しめます。海洋堂の生き物シリーズの起源みたいな。
今ののフィギュアにしろイラストにしろ、実は同じような志向で100年前の人たちも作ってたんじゃないかなと思ったりします。
今回の展示にはないですが、狩野芳崖の絵画とかはすごく緻密で且つきらびやかで、SFっぽさもあったりして秋葉系のイラストに似たオタク臭さを感じたりします。今の時代にいたらPixivとかに投稿してそうな気がしてならないと思うのはボクだけでしょうか。
話がそれましたが、木彫はホビー感覚でも楽しめます。
それこそ海洋堂さんからとかフィギュア(レプリカ)出してくれないかなぁ。
色んな彫刻家の作った『シリーズ・手』とか。。ニーズないか。。。
奥さんの智恵子さんの切り絵が良かった
全然、知らなかったのですが、智恵子さんの切り絵がとても時代を感じさせない、グラフィカルで遊び心あって楽しさが伝わってくる作品で良かったです。
おまけ
千葉市美術館の近くには千葉城もあります。千葉の歴史が分かります。ぜひ。