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MGAスタッフブログ - マックグラフィックアーツスタッフの不定期ブログ

(立ち寄り)ローカル線の旅

前回、このブログでつげ義春のことを書いたのだけど、久しぶりに彼のマンガやエッセイを読んだら旅をしたくなってしまった。といっても、そんな時間もお金もあるわけもなく、蒸発するわけにもいかない。

そこで以前から気になっていた、まだ未踏のローカル線にちょっと足を延ばしてみようと思ったのだ。それは、千葉県の東葛地区にある流鉄流山線。全区間はJR常磐線馬橋駅から流山駅までの5.7kmで、駅も6駅しかないちっちゃな私鉄のローカル線だ。
その日の夜は柏でJリーグの試合があるので、その前にふらっとしてみようという案配。

僕は船橋市内に住んでいるので、JR武蔵野線で新松戸駅まで行けば歩いてすぐに流鉄流山線の幸谷駅に乗り換えることができる。でもせっかくなので1駅都内寄りの始発駅、馬橋駅から乗ってみることに。

流鉄流山線馬橋駅の改札

JRの改札口を出て陸橋を降りるとすぐに流鉄流山線のホーム。SUICAは使えないと知っていたので驚きはなかったけど、この改札口は懐かしい。ただ駅員は立っていないので素通りで通過。そして首都圏では絶滅してしまったと思われるホーロー製の駅標も発見。

午後のローカル線には乗客は10人ほどしか乗っていなくて、2両編成の車両はガラガラ。車内では先頭に乗ってみたものの運転席にしがみつくように見るのは躊躇われた。一介の乗車客のようなフリなんてしてみる。

路線は単線のため途中の小金城址駅で上りと下りの交換待ちの後、すぐに終点流山駅に到着。この駅も市役所が近くにあるとは思えないほどローカル、そしてレトロな佇まいだ。そして「関東の駅100選」「房総の魅力500選」に選ばれているとのこと。成る程(漢字になってしまう)。
駅前は小さなロータリーがあるが店舗も少なく閑散とした感じだが、それが首都圏では見られないような懐かしさを感じる。

流山駅は市役所の最寄り駅でもある

流山駅は市役所の最寄り駅でもある

懐かしい窓口と運賃表

この旅(?)は事前に何も調べなかったのでわからなかったのだけど、Googleマップを見てみると駅のすぐ先に江戸川があるのだ。駅のロータリーからも川の堤防が見える。それならばと江戸川を目指してみることに。

しばらく歩くと通り沿いに木造の古い民家を発見。しかしそこには看板があり、「丁字屋 栄」と和風の店名が書かれたイタリアンレストラン。この時はランチも終わっている時間だったのか店内は暗くなっていたが、こういう佇まいを見ると料理も美味しそうである。

古民家のイタリアン

古民家のイタリアン

その横には(「丁字屋 栄」の姉妹店である)ベーカリー「蔵日和」があり、パンは食べたい気分ではなかったけどソフトクリームがあったので購入。ただ、これはカートリッジ式だったので手作りとかではなさそうだ。

そんなソフトクリームをペロペロ舐めながら江戸川の川べりに。堤防を上ると開ける広大な景色はなかなか良い。川沿いを散歩というのも優雅かもしれないが、そろそろ試合の時間も考慮しなくてはならないので早々に駅に戻ることに。

江戸川の川べり

蔵のカフェ&ギャラリー

同じ道を戻ってもしかたがないので、たぶん駅にたどり着くであろう路地のほうに入ると、今度は蔵を利用(もしくはモチーフ)にしたカフェ&ギャラリー「灯環 (とわ)」を発見。ここも雰囲気が良さそう。だが、またしても中には入らず外観だけ写真を撮って駅に向かうのだった。

今回は短い時間だったけれど、初めての路線、駅、街でいくつかの懐かしさに出会えたのはホントに運がいい。しかし、それは流山駅周辺に未だそういう雰囲気が残っていたり、再利用しているおかげでもあるのだ。

そしてその後の試合(vs横浜Fマリノス戦)にも勝利して更に気分よく帰路につくのであった。