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校正用語の解説(初心者向け)

こんにちは、ディレクターの小林です。

校正ネタで引張れるだけ引張ろうと思ったのですが、
3回目にして、もうすでに息切れしてきました!
「いいね」を押してくれている方々、ネタ提供お願いします! 疑問があれば質問ください!

とりあえず、今回は「校正用語」です。
この間、社内MTGの際に、「素読みって何?」と聞かれたので。

…色校正のことまで話がおよぶと、印刷の話にまで範囲が広がってしまい
視点がボケそうなので、今回は文字校正に関係ある用語に絞ります。
「校正用語=印刷業界用語」なので、普段WEBデザインの仕事をしている方には
ピンとこない説明もあるかとは思いますが…。
クライアントご担当者様がWEBだけでなく印刷物も一手に引き受けている場合は、
印刷業界の用語で指示いただく場合もあります。覚えておくときちんと意思疎通ができますよ。

 

【朱字(あかじ)
赤ペンで書かれた修正指示のこと。
♯ 余談:「赤字」と書く人もいますが…個人的には、げんかつぎで「赤字」とは絶対に書きません!
社会人として、あの文字は見たくないです! こんな所で言霊が働いたら、イ・ヤ~~!!!
だから、口では「あかじ」と発音しますが、あくまでも頭に浮かんでいる漢字は「朱字」です。
習字の授業の際、先生に朱色の文字で添削してもらったことを思い出すと「朱字」の字面も腑に落ちると思います。

 

【付け合せ(つけあわせ)
元原稿と照らし合わせて、一字一句相違がないか確認する校正方法。
会社によっては「突合せ」という所もあるようですが、内容は同じです。
♯ 余談:付け合せチェックの際のポイントは、
「文章は読まない(意味は意識しない)」 「文字面を追う」 「文頭文末の確認」ですかね。
付け合せチェックは、いっぺんに大量にやるほうが効率がいいです。
慣れると、一文字ずつ追わなくても「紙面上の墨の濃度」で気付くことも!(もちろん、これだけに頼って校正するのは危険)

 

【素読み(すよみ)
「付け合せ」は、間違いなく元原稿通りに入力されているかをチェックしますが、
「素読み」は、文章の流れ・てにをは・使用用語が適切かどうか、
「文章を読んで確認する」ことです。
付け合せチェックでOKだったものでも、素読みでおかしければ修正指示を入れます。
♯ 余談:個人的には、「支給原稿を素読み校正→原稿修正→デザイン→ざっくり校正→コーディング→付け合せ校正」が、
作業が二度手間にならない理想的な流れかな、と思います。
あと、素読みチェックの朱字は、事前にクライアント様に「こう直します」と告げておきましょう。
「そのあたりはプロにお任せ!」というご担当者の方なら、事後報告でもよいと思いますが。
どちらにしても、善意が裏目にならぬよう「必ず修正内容の報告をする」ことを忘れずに!

 

【初稿(しょこう)
音が同じなのでややこしいですが、「初稿」と「初校」は別物です。
「初稿」は、「最初の原稿」です。

 

【初校(しょこう)
印刷業界では、1回目のゲラ(本文の校正刷り)のこと。または、1回目の色校正のこと。
(1)最初の校正刷りを「初校」
(2)それを校正することを「初校校正」
(3)朱字入れたものを現場に戻すことを「初校戻し」
といいます。
♯ 余談:WEB業界の場合、ゲラはないので、1回目テストアップに朱字を入れたものを「初校」と呼んでいたりします。

 

【再校(さいこう)または【二校(にこう)
初校戻しをした後、現場が朱字通りに修正した後に出してくる2回目のゲラのこと。
♯ 余談:気持ち的には、ここで決着(朱字クリア)したいとこです。

 

【三校(さんこう)
再校(二校)で朱字が綺麗にならず、3回目に出すゲラのこと。
♯ 余談:「三校の後は、四校?」と思う方もいるかもしれませんが…現場の感覚としては「三校まで」です。
「仏の顔も三度まで」ですね。
四校・五校なんてやろうものなら「校正以前の、原稿段階でちゃんとチェックしておけ!」と
現場のおじさん(印刷所の方)に怒られてしまいます。
…っていうか、印刷所の方は「四校」なんて言葉は使わず、「念校」という言葉を使います。
「これでもう最後です」って無言のプレッシャーを送られます。

 

【念校(ねんこう)
これは「念のための校正」です。
「貰った朱字はきちんと修正したから問題ないはずだけど“念のため”チェックしてね」と
出される校正です。
なんで「念のため」出すかというと、
印刷までした後に「直した・直ってない」の押し問答で印刷所が不利益を蒙らないよう
「クライアントが最終OK(校了)した」という確約を得るためです。
なので、WEB業界では聞かない言葉かもしれません。
♯ 余談:もし、印刷の仕事を請け負った際に念校に朱字を入れる羽目になった場合は、
印刷所の営業さんに平謝りしながら校正戻しをしたほうが良いですよ…。

 

【責了(せきりょう)
この言葉がクライアントから出たときは、大変危険!
WEB業界で使われることは少ないかもしれませんが、必ず覚えておきましょう!
これは、
「朱字が少ないから、わざわざ念校(=再テストアップ)を出さなくて良いよ。
現場の責任で校了しちゃってOK」という意味です。
信用していただいてるからこその言葉ですが…。
修正漏れなどの問題があったときは、非はこちらにあることになります…。
♯ 余談:システムチェックの最終段階でクライアント様に「責了でOK」といわれたときは、本当に焦りました…。
私は小心者なので、クライアント様に「責了」といわれても、
「了解です! 社内校正済みです! 最終テストアップしました!」と最終チェックに出します(笑)

 

【校了(こうりょう)
これは、「校正修了」です。
朱字はもうクリアになったので、次の段階(印刷なら下阪)に進んで良いよ、という意味です。
これも、WEB業界では聞かない言葉かもしれません。
WEBの場合、「納品してください」とか「公開してください」とご指示いただくので。

 

 

以上。
さらっと終わらせるつもりが、長くなりすぎました~!
最後まで読んでくれた方、いるかしら…。
長文ごめんなさい!

では、また~